第133回定期大会 特別決議「ハラスメント根絶宣言」

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ハラスメント根絶宣言

 

PDF版:190712_tokubetuketsugi_harassment

 

本日、私たちは、仕事の世界における「ハラスメントの根絶」を掲げ、議論してきました。人権侵害以外のなにものでもないハラスメントの根絶について、2019年というこの時代においても新たな課題として声を上げなければならない現実に、その根の深さを感じます。しかし、ハラスメントに声を上げ、対抗する大きなうねりはきています。

去る6月21日、ILO(国際労働機関)の第108回総会において、「仕事の世界での暴力とハラスメントを禁止する条約」が採択されました。これは、一昨年アメリカのハリウッドでおきたセクハラの告発を契機に、全世界に広まった#Me Tooの運動とそれに呼応した、見て見ぬふりをすることを終わりにする「タイムズ・アップ」運動の成果だと言われています。世界的には、職場における暴力とハラスメント禁止が大きな流れとなっているのです。
日本国内においても、元財務事務次官による女性記者へのセクハラが契機となって#Me Too #With Youの運動へと広がりをみせました。出版労連も、メディアや表現の場で働く労働者の組合で組織されたMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)などとともに、ハラスメントに関する学習会、院内集会、市民参加フォーラム、国会前行動などを展開し、あらゆるハラスメントの根絶を求める活動を続けてきました。その結果、まだ十分とは言えない内容ながらも、5月にパワハラ防止法が成立しました。経営側の抵抗・慎重論以上の私たち世論の高まりに、目をつぶることは出来ず、政府としても取り組まざるを得ない状況だと判断したからではないでしょうか。

では、私たちそれぞれの仕事の世界で、ハラスメント改善の兆しは見えているでしょうか。有休を取得するのに嫌みを言われていませんか。上司から恫喝(どうかつ)されていませんか。取引先から不当な要求をされていませんか。不当な配転を命じられていませんか。強い言葉での指示や理不尽な業務命令はありませんか? 賃金に直結する短時間勤務の強制を受けていませんか? あなたでなくても、あなたの隣人が嫌がらせをされていませんか? ハラスメント根絶に向けての行動を掲げながらも、残念ながら職場でのハラスメントを解決することは簡単なことではありません。立場の優位性を背景に行われる言動・行為であるために、弱い立場からの声は上げにくく、ハラスメントそのものを顕在化させることを難しくさせているからです。また長時間労働や人員不足などが絡んでくると、ハラスメント構造が見えにくくなる問題もあります。

しかし、私たち労働組合の基本は相互扶助です。人権侵害は取り組むべき最重要課題です。いかなるハラスメントも曖昧にはせず、その芽を小さいうちに摘んでいく不断の努力が求められます。〈見て見ぬふりをすることを終わりにする〉この世界の流れと手を取り、歩調を合わせ、困難を厭(いと)わず、ハラスメント根絶に向けて取り組みましょう。
同時に、私たち労働組合も“組織”であるかぎり、組合内部にハラスメントを内包していることを自覚しましょう。ひとりひとりが自らの置かれた立場の優位性を自覚し、相互にフラットな立場であろうとする意思をもって、ハラスメントを生まない組織に作りあげていきましょう。

以上、宣言します。

2019年7月12日
日本出版労働組合連合会 第133回定期大会