出版および出版関連産業ではたらく人々の労働組合連合体

お知らせ

第134回臨時大会/特別決議 ハラスメントを生み出す土壌をなくし、防止・根絶にとりくもう

出版労連第134回臨時大会/特別決議

ハラスメントを生み出す土壌をなくし、防止・根絶にとりくもう

PDF:200214特別決議「ハラスメント」 今日、私たちはハラスメント根絶について議論を行い、2020春闘でハラスメントの防止と根絶にとりくむことを確認しました。 2019年5月、ハラスメント関連法が成立し、大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から施行(それまでは努力義務)となりました。2019年6月には、ILO(国際労働機関)の総会において、「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約」が採択されました。日本政府は条約に賛成はしましたが、ハラスメントの根絶を真摯にめざしているかといえば疑問であるといわざるを得ません。2019年10月に厚生労働省が作成したハラスメント関連法施行に向けての「指針」の素案では、ハラスメントに該当しない具体例が示され、逆にハラスメントにお墨付きを与える恐れがあるなど、事業主の管理責任を曖昧にするような内容が含まれていました。 また、雇用労働者以外の者(フリーランスなど)へのハラスメントについての事業主の責任も不十分なものでした。素案に対し、出版ネッツも参加するMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)フリーランス連絡会・日本俳優連合・フリーランス協会の三者は、ハラスメント関連法成立時の附帯決議を「指針」に反映させる旨の声明の発表などのとりくみを行いました。このこともあり、「事業主は自らの雇用労働者以外の者から相談があった場合には、雇用労働者への雇用管理上講ずべき措置を参考にし、必要に応じて適切な対応を行うように努めることが望ましい」旨の文面が「指針」に盛り込まれました。しかし、パブリックコメント(公募意見)で寄せられた修正意見は、「指針」に反映されませんでした。「指針」はハラスメント防止・根絶に向けて十分なものではありません。今後もとりくみが必要です。 ハラスメントは、長時間労働・過重労働のある職場、成果主義などが導入されている職場、雇用関係が複雑な職場などで起こりやすいといわれています。自分たちが働いている職場の環境を改めて見つめ直してみましょう。ハラスメントを生み出す土壌はないでしょうか。土壌があれば春闘の労使交渉、労使協議会、安全衛生委員会などで改善にとりくみましょう。 職場のみならず、取引関係や仕事を依頼しているフリーランスの誰かがハラスメントを受けているようなことはないでしょうか。被害者になった人がいて、その人が声をあげられず悩んでいるのなら、まず声をかけてみましょう。 また、あなた自身がハラスメントの加害者になっているということはないでしょうか。「仕事量が多く、人員は少ない。そんな中、締切がせまり、若手に思わず語気を荒げてきついことを言ってしまった」。こんな事例をなくすためには、経営者の責任がより重要となります。「ハラスメント防止・根絶要求書」を提出し、経営による「ハラスメント防止・根絶宣言」を求めましょう。宣言が出されたら、それを掲示板などで公開し、会社に出入りする人も含め宣言を共有しましょう。それが経営責任の明確化です。 2020春闘では、ハラスメントを生み出す土壌をなくし、ハラスメントの防止・根絶にとりくみましょう。また実効性あるハラスメント関連法の改定、ILO条約の批准など、政府に対するとりくみについても、他の労働団体や市民団体などと連携しながら強めていきしょう。

 以上、決議します。

2020年2月14日

日本出版労働組合連合会

第134回臨時大会

よくアクセスされるページ