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  • MICがフリーランス保護施策に関する政党アンケートを実施

    MICがフリーランス保護施策に関する政党アンケートを実施

    日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は、10 月 31 日に投票日を迎える第49回総選挙に際し、フリーランスの権利と保護施策に関する各政党の考え方と選挙公約に関するアンケートを実施し、各政党から寄せられた回答をMIC公式サイトに掲載しました。

    回答結果は下記よりダウンロード出来ます

    2021 総選挙 政党アンケート ―フリーランスの保護に関するアンケート調査結果―

     

    第49回総選挙に際してのフリーランス保護施策に関する政党アンケートを公開
    積極的保護で各党一致 具体策や労働者性拡大では顕著な違いも

    政党アンケートの対象は、自由民主党、立憲民主党、公明党、日本共産党、日本維新の会、国民民主党、社会民主党、れいわ新選組、NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で(NHK党)で、公明党と日本維新の会を除く7党から回答をいただきました。
    今回の調査では、近年重要な政策課題に浮上しているフリーランスの権利、保護に関する各政党のスタンスと考え方が浮き彫りになりました。
    公式サイト掲載のとおり、「フリーランスの権利保護やセーフティネットの整備」については「積極的なとりくみが必要」とのスタンスで各政党の回答が一致しました(「問1」)。公約に盛り込んでいる政党も多く(「問2」)、心強い結果です。他方、失業給付、労災補償、傷病手当金、出産手当金、インボイス制度など、各論的な施策についての質問(「問3」「問6」)では回答が分かれました。ハラスメント防止は、回答された全野党が「法律の対象に」とした一方、自民党は「法制化に当たっては論点が多い」としました(「問5」)。
    労働者性(労働法上の労働者の範囲)拡大についての質問(「問4」)も、各党のスタンスが分かれました。現場の実態を伝えるなど、私たち当事者団体側の課題もわかりました。
    回答にご協力いただいた政党、ご担当者のみなさまに感謝を申し上げます。有権者の皆様には投票の際に、各党の回答を参考にしていただければと思います。MICフリーランス連絡会はこれからも、他の労働団体、文化芸術関係団体とも連携しつつ、フリーランスの権利確立、誰もが安心して働ける社会をめざしてとりくみを続けていきます。

  • 第137回定期大会特別声明(言論・表現の自由と憲法)

    第137回定期大会特別声明(言論・表現の自由と憲法)

    第 137 回定期大会特別声明


    いまこそ改憲の動きに抗して、言論・出版・表現の自由を守りぬこう


    昨今、言論・表現の自由を脅かすさまざまな動きが強まっています。例えば 2020 年 9 月、国から
    独立した公的な機関である日本学術会議が推薦した会員候補のうち、6 名の任命を政府が拒否した
    ことは、言論・表現、そして学問の自由を脅かす行為だといえます。また、国会審議を軽視して創
    設が進められ、2021 年 9 月に設置が予定されているデジタル庁も、個人の自由やプライバシーの侵
    害が危惧されます。さらに 2021 年 6 月に成立した改正国民投票法は、CM 規制や最低投票率の基準
    がないなど、憲法改正の手続きとしては欠陥だらけの法律であるにもかかわらず、成立してから問
    題点は議論する、として採決されてしまいました。同年 6 月には重要土地調査規制法が、衆参あわ
    せても 20 数時間という短い審議時間で充分な議論を経ず、専門家の意見を聞かないなかで可決・成
    立しました。基地が集中する沖縄はもちろん、米軍横田基地のある東京都福生市など、米軍・自衛
    隊基地を抱える全国の市町村で、政府による恣意的な運用を懸念する声があがっています。


    国会の動き以外にも、東京や大阪の「表現の不自由展」の開催が、妨害活動により危ぶまれてい
    ます。そして、東京五輪・パラリンピックの取材のため来日した記者の行動を、大会組織委員会が
    GPS で追跡しようとしていることに対して、海外のメディアから批判の声があがりました。さらに
    「美々卯スラップ訴訟」のように、言論に対する恫喝目的で提議される高額訴訟である SLAPP も起
    こっています。


    また、教科書に関しては、2021 年 5 月に内閣が閣議決定で「従軍慰安婦」などを「慰安婦」に、
    「強制連行」「強制労働」を「徴用」に、日本の戦争加害責任がなかったかのように変更しました。
    小中社会科と高校地歴・公民の教科書記述を閣議決定どおりにしろというのがねらいです。教科書
    記述の変更には「訂正申請」という手続きが必要で、文部科学省は該当する教科書発行者に対し異
    例の「説明会」を開き、訂正申請のスケジュールを示しました。これは教科書に対する事実上の圧
    力にほかなりません。


    一方、マスメディアではいま、同調圧力と忖度のもとで自由な発言や表現が難しくなっています。
    フェイクニュースや大手マスコミの一部も加担する権力におもねった報道、また SNS を利用したバ
    ッシング、ヘイト書き込みなどに対し、それらの対極にある、ジャーナリズム本来の、権力を監視
    する役割が重要性を増しています。しかし、ミャンマー軍事政権による民衆に対する不当拘束や、
    香港での民主化を求める声に対する暴力的な取り締まりなどの、海外の言論の自由に対する規制の
    動きも、わたしたちにとって他人事ではなく、決して楽観することはできません。


    いま、憲法改正を進める動きが強まっています。2012 年の自民党改憲草案は、言論・出版・表現
    の自由を保障する日本国憲法 21 条に第 2 項を加え、「公益及び公の秩序を害することを目的とする」
    活動は認めないとしています。このような憲法改正が、出版で働くものに重大な危機をもたらすことは
    明白です。


    わたしたちは、言論・出版・表現の自由を守るために、憲法 21 条を含む改憲に反対します。そし
    て、あらゆる取材妨害に反対し、取材の自由を求めるとりくみを行います。また、ヘイトスピーチ
    や暴力的な威圧行為などの、差別と暴力を根絶するとりくみを行います。
    以上


    2021 年 7 月 16 日
    日本出版労働組合連合会 中央執行委員会

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    2103特別声明「言論・表現の自由と憲法」

  • 第137回定期大会特別声明(ジェンダー平等)

    第137回定期大会特別声明(ジェンダー平等)

    第 137 回定期大会特別声明

    「男らしく」「女らしく」を脱して「自分らしく」生き働ける社会へ変えよう!

    「15 歳のころ、人はどっさりいろんなことを、経験する。
    あとはそれに慣れっこになって、だんだんそれを忘れてゆく」 ※1

    あなたの記憶のなかで、みんな同じように平等だったのは、いつでしたか? 気付いたら、そうでは
    ない現実を感じたのはいつでしょう? 受け入れてしまったのはいつでしょう?

    コロナ禍のもと、さまざまな格差が可視化されました。在宅勤務可能な職種や企業、正規雇用・非
    正規雇用、シフト制、性差、ジェンダーでの格差。性的役割分担に根ざした、ケアは女性、家計は
    男性が担うものとの「ケアレスマンモデルの古い時代の考え」がいまだに根深く、給付金が一括し
    て世帯主へ給付されたことでも、政府内に女性の就労は家計補助的収入のためとの誤った価値観が
    残り続けている、日本社会の「男、めっちゃ有利」 ※2 な残念な社会構造が顕著に可視化されました。
    もう、変えていきましょう。

     
    男性の非正規雇用率も 5 人に 1 人の 22.8%で、シフト制雇用者は大きな打撃を受けました。さら
    に女性の非正規雇用は 56.0%と 2 倍以上にのぼりさらに厳しい状況です。
    年末年始のコロナ禍相談村では初めて女性専用相談ブースが設けられ、そのニーズの深さから 3 月
    の『女性による女性のための相談会』開催が実現しました。法律家や行政も深刻さに気付き、7 月
    には東京都の後援を得て東京第二弁護士会との共催での『女性なんでもでも相談会』へと発展しま
    した。

    多くの制度はまだまだ女性には使いづらく、相談したくても男性ばかりの相談会には行きづらく話
    しづらさが壁となっていました。派遣村から 13 年を経て女性たちが当事者の実状を集めて立ち上
    がり、女性が安心できる相談会を作り上げました。当事者である女性が、当事者の声を実現するた
    めに立ち上がり、知恵を出し合い奔走し、当事者に必要な変化を現実にしました。
    夫婦別姓を議論する委員会も、これから別姓を必要とし選択肢を望む世代は1人もいない、当事者
    抜きの議論でした。一斉休校を決める場に、緊急事態宣言による飲食や書店休業や時短を決める場
    に、子育て世代、ひとり親世帯、シフト制労働者、さまざまな業態の現場から当事者が参加してい
    たら? 違う対策が生まれていたかもしれません。

    ひとり親世帯の 9 割は女性です。現在の日本で子どもの 6 人に 1 人が貧困状態にあるのは、女性の
    貧困は子どもたちの貧困に直結することの現れです。なぜ、女性の就業率は 7 割を超えるにもかか
    わらず非正規雇用で率が高いのか? ケアも仕事も家事もが女性に集中し、子どもたちへの責任は
    母親だけが担うものではないことは、だれもが知っているはずですが、決してそうではない現実が
    コロナ禍でよりいっそう、可視化されました。

    社会の制度設計に女性が参加できる選挙権・被選挙権の誕生はわずか 75 年ほど前です。ほぼ 100%
    近い公的制度や法的サポートは男性・女性の二択を基点に設計され、医師免許をはじめとする国家資
    格は戸籍名のため、学術論文などでは婚姻前の業績が同一人物によるものと即座に判断されない等、
    改姓による大きな実害を生んでいます。離婚時に旧姓に戻す場合、離婚の事実を知られるのもほと
    んどが女性です。中国・韓国、欧米諸国をはじめ選択的夫婦別姓の国は非常に多く、同姓は少数派
    です。 癌で友人を夭逝した友人を思い、ヘアドネーションを決意した男子中学生。長ズボンで登校した女
    子高校生。髪を伸ばすこと、長ズボンでの登校がジェンダーの違いにより校則違反になるのはなぜ
    でしょう?ジェンダーで線引きされた痛みに苦しむ子どもたちがいます。多数派が大切にされ、少
    数派は大切ではないかのような線引きをする制度設計が暮らしのあちこち存在しています。

    マイノリティであるというだけで、ごく普通の日常生活を送ることも難しく、憲法が保障する基本
    的な権利や基本的人権すら認められていないのが、いまの日本です。

    医学部入試、都立高校の入学試験での男子受験生優遇の合格基準、憲法で保障され、平等だと信じ
    ていた学びの場において、ジェンダーにより優遇され、差別されていた事実に子どもたちも教師も
    怒りを表明しています。

    みなさんの職場をジェンダーの視点で浮かべると、どのような状況でしょうか? 男女雇用機会均
    等法が施行されて 30 年以上が経ちました。機会は均等に与えられたものの、入社試験でも、“成績
    順に採用すると女子ばかりになり、会社が潰れてしまう。だから男子を多く採用する”……という
    理論がいまも企業側に存在にしているのはなぜでしょう?

    みなさんの職場の意思決定や運営を担う場はいかがでしょうか? 浮かべてみてください。類似の
    背景、経験、価値観が近い人で構成されていないでしょうか?

    いわゆるボーイズクラブの弊害は、それ以外の視点に気付かないため、議論に発展せず、多様性を
    阻みます。この理不尽な理屈に違和感を覚え、疑問を持ち、変えていかなくてはと気付きながら、
    無意識の思い込みに慣らされてきた反省に立ち、昨年末から今年にかけて、わたしたち出版労連は、
    日本新聞労働組合連合(新聞労連)、日本民間放送労働組合連合会(民放労連)、メディアで働く女
    性ネットワーク(WiMN)のみなさんとともに、日本新聞協会、日本民間放送連盟、日本書籍出版
    協会、日本雑誌協会の 4 つの業界団体へ「業界団体および加盟社の女性登用についての要請」を提
    出しました。奇しくも東京オリンピック・パラリンピック実行委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発
    言と重なり、メディア業界の女性管理職の圧倒的な低さが報道され、驚きと批判をもって広く知ら
    れることとなりました。

    人びとの価値観や考え方の醸成に、本や雑誌、テレビやラジオ番組、メディアの発するコンテンツ
    は大きく影響を与え、左右をもします。その作り手、その発信を決定する場が、特定のジェンダー
    に偏っていることで、バイアスのかかった無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスを生む土壌
    をつくってきました。この状態を脱しジェンダー平等の実現を前進させましょう。メディアの中で
    も早くから出版業界は女性の採用割合が上がり、すでに 5 割を超える企業もあります。が、昨年実
    施した女性管理職割合調査では、編集長・課長クラスまでは女性がいても、役員クラスに至っては
    10 倍以上の差があるのが現状です。だれもが働き続けやすい、当事者の声が反映された労働条件と
    職場環境、構造になっているとはいえない状況です。「男、めっちゃ有利」の価値観を生み出し、下
    支えする構造を、もう、終わりにしましょう。マイノリティもマジョリティもジェンダーに関わら
    ず、すべての人が互いを尊重し合い、働きやすい職場、生きづらさのない社会を、わたしたち 1 人
    ひとりの絶え間ない努力でつくっていきましょう。

    2021 年 7 月 16 日
    日本出版労働組合連合会 中央執行委員会

    ※1『愛をめぐる随想』著:シャルドンヌ 訳:神西 清
    ※2『マチズモを削り取れ』著:武田砂鉄

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    2102特別声明「ジェンダー平等」

  • 第137回定期大会大会声明

    第137回定期大会大会声明

    大会声明

    私たちはこの第 137 回定期大会で

    「コロナ禍のもとでも対話をひろげ、賃上げ、労働条件改善をすすめよう!」
    「すべてのハラスメントをなくし、ジェンダー平等をすすめよう!」
    「出版産業の変化のなか、出版文化と言論・出版・表現の自由を守ろう!」

    をスローガンとして掲げるなか、2022 年度の運動方針案について討議してきました。
    2020 年から続くコロナ禍のなか、労働組合の活動の仕方も、オンラインを駆使し、コロナ禍以
    前と同等の活動を取り戻しつつあります。一方でオンラインでは職場の意見を聞き取りづらいと
    いった話も聞きます。コロナ禍でもさらに工夫し、これまで以上に対話を広げ、団結し、より連
    帯を広げていきましょう。

    働き方についても、在宅勤務制度や時差出勤制度など、以前から議論されてきた「働き方改革」
    が意図しない形で進もうとしています。しかし、それは十分な議論がされた結果での改革なので
    しょうか。職種による差異や、在宅勤務などをする上での不具合は様々報告されています。今後、
    恒常化されていくであろうこれらの働き方に対し、働く者にとって不利益にならない形で取り入
    れていけるよう、十分に議論を尽くしましょう。

    コロナは最賃改定にも影響を及ぼしています。コロナ不況を理由に 2020 年度最賃改定は、全
    国加重平均で前年比わずか 1 円増の時給 902 円となりました。これではとても暮らしていけませ
    ん。2021 年 4 月から、パート有期法、同一労働同一賃金ガイドラインが中小企業にも施行され
    ました。非正規差別の解消、時給 1500 円への最低賃金への引き上げは働く者全員の待遇を底上
    げする全体の利益です。当事者の声に耳を傾けながら、ともにとりくんでいきましょう。

    また、ハラスメント関連法が 2022 年 4 月から中小企業においても施行となります。出版労連
    も 20 秋年闘、21 春闘でハラスメント根絶にとりくみ、成果を獲得した単組もありました。一方
    で、日本の法律は禁止規定などがなく、ILO のハラスメント禁止条約の批准には至っていません。
    ハラスメントは人権侵害であることを再確認し、ハラスメント根絶に向けた働きかけを強めてい
    きましょう。

    本日の定期大会では、11 名の文書発言、4 名の代議員、4 名の特別代議員から発言がありまし
    た。

    ・多くの単組、部会からコロナ禍の中、zoom などを利用した会議・意見集約方法などが報告
    されました。
    ・フリーランスの問題として、傷病手当やガイドラインなど政府の対応不足や厳しい現状が報
    告されました。その一方で、それを活用して改善を図っていくとりくみについても報告され
    ました。
    ・教科書についても、デジタル化や価格、教科書攻撃など様々な問題が報告されました。
    ・言論の自由を守るため、雑誌の重要性が挙げられました。そこで働く人々をどう守っていく
    のかということと、組織をどう広げていくかという課題の提起を受けました。
    ・文書発言にて触れられている 4 つの争議についても引き続き支援していきましょう。

    コロナ禍のもと、社会はよりいっそう分断の方向へ進みました。立場や考えが違っても相手と
    理解し合うことがなければ対立は深まるばかりです。そんな時代だからこそ、私たち労働組合が
    必要なのではないでしょうか。今大会でもコロナ禍のもとでの組合活動の工夫について触れた発
    言がいくつかありました。さらに工夫を重ね、より議論を深め、発信をし、もっと多くの人々と
    つながっていく新しい仕組みを作り出しましょう。そして、言論・出版・表現の自由を守り、成
    熟した民主主義を根付かせ、出版文化を支える平和でより自由な社会を目指して、ともに手を携
    え前に進んでいこうではありませんか。

    2021 年 7 月 16 日
    日本出版労働組合連合会 第 137 回定期大会

    PDFクリック↓
    2101大会声明

  • 教科書記述への権力的介入への抗議文について

    教科書記述への権力的介入への抗議文について

    教科書記述への権力的介入への抗議文について
    2021年6月30日 出版労連・教科書対策部

     教科書対策部は、内閣が閣議決定で「従軍慰安婦」「強制連行」などの用語を変更したことに対し、5月20日付で抗議文を菅首相と萩生田文科相に送付しました。
     閣議決定は「維新の会」議員による質問主意書に応えたもので、「従軍慰安婦」などを「慰安婦」に、「強制連行」「強制労働」は「徴用」に変更しました。日本の戦争加害責任がなかったかのように変更したのです。
     小中社会科と高校地歴・公民教科書の検定基準は「閣議決定など政府の統一的な見解や最高裁判例など」に従った記述を載せろとされており、教科書記述を閣議決定どおりにしろというのがねらいです。
     教科書記述の変更には「訂正申請」という手続きが必要です。文科省は国会論戦の直後、該当する教科書発行者に対し異例の「説明会」を開き、訂正申請のスケジュールを示しました。訂正申請しなければ、文科大臣による「訂正勧告」もありうるとも述べています。事実上の圧力にほかなりません。
     一方で、国会でも説明会でも、文科省は「最高裁の判例」には頬かむりですが、「日本軍慰安婦」など、日本政府の責任を明示する語を使った判例もあることが、野党の論戦で明らかにされています。
     このようなやり方は教科書に対する圧力にとどまらず、憲法が保障する言論・表現・出版の自由や学問の自由をふみにじるものであり、出版という私たちの営み全体に対する許しがたい攻撃です。組合員のみなさんの理解と協力を訴えます。

     

    2021年5月20日
    内閣総理大臣 菅義偉 殿
    文部科学大臣 萩生田光一 殿
    日本出版労働組合連合会 教科書対策部
    【抗議文】「従軍慰安婦」「強制連行」に関する教科書記述への権力的介入をやめよ 
    PDF:210519_kyoukasho_kougiseimei

     

     

  • 【声明】公的機関による言論妨害、出版・表現の自由の侵害に抗議する

    【声明】公的機関による言論妨害、出版・表現の自由の侵害に抗議する

    【声明】公的機関による言論妨害、出版・表現の自由の侵害に抗議する

    2021年4月7日
    日本出版労働組合連合会
    中央執行委員長 酒井かをり

      公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、「週刊文春」4月8日号(4月1日発売)掲載記事「白鵬、海老蔵、後援者…森・菅・小池の五輪開会式“口利きリスト”」、および3月31日配信の文春オンライン記事「『AKIRA』主人公のバイクが…渡辺直美も絶賛した「MIKIKO チーム開会式案」の全貌」において東京オリンピックの演出プランを暴露したことは不正競争防止法違反の罪及び業務妨害罪が成立しうるとして、4月1日、同誌の回収とWebからの削除を求めました。
     これに対し同誌は「侮辱演出案や政治家の“口利き”など不適切な運営が行われ、巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることには高い公共性、公益性があり、報道機関の責務である」と説明し、組織委員会の要求である発売中止、回収などについて拒否する姿勢を表明しています。出版労連はこの表明を支持し、連帯を表明いたします。
     オリンピック・パラリンピックが、莫大な税金が投下される公共性の極めて高い催しであることはいうまでもありません。同組織委員会は、国内外から多くの批判を受けた森喜朗会長(当時)の女性蔑視の差別発言による辞任、タレントへの侮辱演出案の存在など、五輪憲章に抵触し、人権を軽視した度重なる不祥事を起こしてきました。同誌の表明するとおり、開会式の概要を取材・検証し公表することが公共の利益と合致することはだれの目にも明らかです。
     組織委員会は、非公開で会議を行うなど、極端に不透明な運営手法をとり、過度な情報コントロールを行ってきたことも報道で明らかとなっています。これらを納税者の前に明らかにする記事は、高い公益性を有していると考えます。さらに組織委員会は、警察と相談しつつ内外の関係者の調査に着手するとしていますが、これは刑事告訴をほのめかし取材活動を萎縮させることを意図した恫喝であり、不都合な事実を隠蔽することでガバナンスの不在を繕おうとしていると思わざるをえません。
     平和の祭典と称されるオリンピック・パラリンピックは、市民の共感と支持がその礎にあってこそのものと考えます。そのためには、運営組織の透明性は不可欠です。報道機関として当然の取材活動の範疇にあり、憲法21条で保障されている出版社として当然の出版活動の範疇にある同記事に対し、著作権法違反や業務妨害などの組織委員会の主張は、公的機関による言論活動の妨害、出版・表現の自由に対する重大な侵害にほかならず、看過できるものではありません。
     私たち出版に働く者は、公的機関による言論活動の妨害、出版・表現の自由の侵害を認めません。1963年に日本雑誌協会が制定した雑誌編集倫理綱領の第一項「雑誌編集者は、完全な言論の自由、表現の自由を有する。この自由は、われわれの基本的権利として強く擁護されなければならない」という立場をいま一度、強く支持し、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会による同誌への発売中止、回収要求の即時撤回を求めます。


    以上

    PDF:20210407_gorin_seimei

  • 均等待遇の実現を求めるチラシを作成

    均等待遇の実現を求めるチラシを作成

    21年4月より中小企業にも「パートタイム・有期雇用労働法」が適用されます。
    出版労連では、均等待遇を実現に向けて新しいチラシを作りました。

  • 中執特別声明「均等待遇を実現し、誰もが希望を持って暮らせる社会を実現させよう!」

    中執特別声明「均等待遇を実現し、誰もが希望を持って暮らせる社会を実現させよう!」

    出版労連第136回臨時大会/中央執行委員会特別声明
    均等待遇を実現し、誰もが希望を持って暮らせる社会を実現させよう!


     今日、私たちは、第136回臨時大会で均等待遇の実現について討議し、2021年春闘において均等待遇の実現に向けてとりくむことを確認しました。

     2020年4月に「短時間労働者の雇用関係の改善等に関する法律」が「短時間労働者及び有期労働者の雇用管理に関する法律」(いわゆる「パート・有期雇用労働法」)に代わりました。私たちの働く出版関連産業の大多数である中小企業への施行は1年間猶予され、2021年4月1日からとなります。

     およそ25年前、均等待遇についての法律がなかった時代に、格差是正を求めてたたかった丸子警報器のパート労働者や、近年では労働契約法20条を根拠にたたかってきた日本郵政や東京メトロコマースの労働者をはじめとする多くの労働者が勝ちとった結果として、法律が整備された背景があります。出版労連でも、小学館臨時労働者闘争(正社員化)や、一橋出版=マイスタッフ争議(派遣労働者の雇い止め撤回)など、非正規労働者の権利確立のたたかいをすすめてきました。パート・有期雇用労働法の施行にあたり、さらに、均等待遇実現のために声をあげていくことが重要です。

     出版関連産業でも、不合理な格差により苦しめられている非正規労働者が多数います。正社員と同様の業務・責任を担いながら、同じ仕事をしているはずなのに、賃金は違う、休日も違う、手当も違うなどは、到底許されるものではありません。

     そんな中、出版流通の職場では、大手取次の協力企業の有期雇用労働者が、個人加盟の出版情報関連ユニオンに加入して会社と交渉した結果、慶弔休暇の制度化や安全靴の支給などの格差是正が実現しました。

     みんなで力を合わせて声をあげ、少しずつ改善していきましょう。何もせず、ただ法律が変わっただけでは、格差の是正は実現しません。

     有期雇用から無期転換した社員と正社員の格差の問題については、まだ法律が整備されていないなど、課題はたくさんあります。

     不合理な格差を是正させ、均等待遇の実現にむけて、経営に対し要求し、交渉していきましょう。労働法のさらなる改善を求める運動や、この問題でたたかっている仲間の支援など、産業の垣根をこえて労働者が連帯し、とりくんでいきましょう。

    PDF:210210中執特別声明「均等待遇」印刷版

    以上

    2021年2月10日

    日本出版労働組合連合会

    中央執行委員会

     

  • 出版労連第136回臨時大会/2021年春闘宣言

    出版労連第136回臨時大会/2021年春闘宣言

    2021年春闘宣言

     「将来に続く何らかの布石」を打つこと。これが昨年の春闘宣言で私たちが採択した言葉です。私たちはこの1年、新型コロナウイルス感染症の脅威により、暮らしや働き方が急激に変わるということを体験ました。人と接触する機会を減らすことが急務となり、働き方の変更とともに、集い、話し合い、連帯していくという組合活動の基礎も大きな影響を受けています。通勤するだけでいのちの危険につながりかねない状況に置かれ、日常業務だけでも精一杯で、将来への布石を打つどころではなかったかもしれません。

     しかし、出版流通の現場から報告されたように、発売日の変更や延期はありましたが、出版物流は止まることなく、書籍・雑誌を作り、読者へ届けてきました。大きな変化の中にあっても、組合活動の灯を絶やさない心強い報告もありました。私たちが黙っていても、国や自治体、経営陣は働く人に行き届いた対応をしてくれません。大きな変化がもたらされるとき、大きな影響を受けるのはより弱い立場の人たちであることも忘れてはいけません。働く仲間と物理的に分断され、声を上げることがままならない今こそ、知恵と工夫で連帯し、萎縮せず議論を重ねて具体的な行動に移していきましょう。

      2021年春闘方針の柱は、コロナ禍でも納得できる労働条件・労働環境の改善にとりくもうということにあります。初任給の引き上げと賃金のベースアップは出版関連産業の担い手となる人の確保のためにも、要求化をめざしましょう。均等待遇の実現は、2021年4月より中小企業にも適用となる改正パート・有期雇用労働法を活用しましょう。
     
     会社主導で緊急的に導入された在宅勤務などの制度化や、働き方の改善を求める動きもあります。各単組・小共闘から寄せられたさまざまなとりくみからは共通する課題や論点も多く見出された一方、勤務形態や業務、管理体制などが各社で異なるのが実情です。臨時大会で確認した「コロナ禍における在宅勤務制度対応指針(案)」にポイントをまとめましたので、要求づくりに活用しましょう。コロナ禍の在宅勤務は、いのちの問題です。在宅勤務が困難な職場の働き方も考え、改善にとりくみましょう。

     定年延長や継続雇用も、賃金体系も含め非合理的な格差のない労働条件を追求しましょう。職場ごとの状況が異なるため、望ましい一つの方向性を打ち出すことは難しい現状にありますが、雇用の確保と労働条件の底上げを軸として、各単組で議論し要求していきましょう。

     ハラスメントの防止・根絶は、中小企業を含め法整備が進みつつありますが、フリーランスが対象外であることなど、未だ道半ばと言わざるをえません。出版女性会議や出版ネッツから報告されたように、さまざまな形態で働く人の権利を守るためのとりくみをさらに進めていきましょう。

     政府は2020年までに女性管理職を3割にとする目標を、「2030年までのできるだけ早い時期に」と先送りを決めました。出版労連は、新聞労連、民放労連、メディアで働く女性ネットワークの4団体の連名で民放連・新聞協会・書協・雑協のメディア業界の4団体へ「業界団体および加盟社の女性登用についての要請」を提出しました。この報告記者会見の直前、森喜朗氏(東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長:当時)による女性蔑視発言がありました。森氏の発言を下支えしてきているのはメディアも含めた日本の社会構造です。これは女性だけの問題ではありません。男性中心の社会構造を変え、ジェンダー平等を実現しましょう。

     私たちがこれまでとりくんできたさまざまな課題は、コロナ禍で遠景へ退いたかに思えるものもありますが、依然として残り続けています。表現の自由が脅かされ、民主的な手続きがないがしろにされることも多く聞かれます。労働組合の活動は、個別の労働条件はもとより、社会そのものを変える力になりえます。私たちは同じ出版関連産業で働く仲間であると同時に、異なる考えを持ち、異なる職場や条件で働く者でもあります。異なる個人として思いを伝え、共有し、ともに行動できる部分についてはいっしょに声をあげて、一つひとつの課題にとりくんでいくことができます。想像力と工夫をもって緩やかなつながりを保ち広めていきましょう。

    PDF:210219春闘宣言【印刷版】

    以上

    2021年2月10日

    日本出版労働組合連合会

    第136回臨時大会