「残業代ゼロ法案・過労死促進法案」-NO!

弁護士:本田伊孝

何時間働かせてもいい、何時間働かせても残業代を支払わなくてもいい
==「残業代ゼロ法案・過労死促進法案」の具体化の動きか急ピッチで進んでいます。

政府は「専門性の高い仕事では、時間ではなく成果で評価する新たな労働制度を選択できるようにする」と表明し、この法案の成立を進めています。

アベノミックス・成長戦略の下で、「世界で企業が一番活動しやすい国づくり」が目標に掲げられ、労働基準法による労働時間規制が「岩盤規制の打破」の名で崩されようとしています。「岩盤規制の打破」で崩されるのは、働く人たちの健康や家庭生活です。

労働基準法は、「1週40時間、1日8時間を超えて働かせてはならない」と定めています。道路交通法で言えば速度超過の基準となる「最高速度」と同様に、法律によって、それを越えて「労働させてならない」上限を規制しているのです。

8時間を越えて働からせた場合には、ペナルティとして割増残業代(時間外・深夜・休日の割増賃金)が支払われるようになり、それに違反すれば罰金や懲役などの罰則が科せられることになっています。

「残業代ゼロ法案・過労死促進法案」は、高度なプロフェッショナルの職に就く労働者は、こうした労働基準法による労働時間規制の適用対象外とするものです。

ただでさえ、「サービス残業」が横行し、「過労死・過労自殺」は15年間で4倍近くに増えています。「過労死」はヨーロッパでは考えられない、日本だけの異常な現象です。この法案が成立すれば、長時間労働がまん延し、「過労死」が激増することは必至です。

今、必要とされるのは長時間労働を是正し、きちんと残業代を支払わせることです。一介の労働弁護士として、働く人たちの健康や家庭生活を壊す「「残業代ゼロ法案・過労死促進法案」に、「NO!」の声をあげていきたいと思います。

 

以上